旧約聖書
「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。─主の御告げ─それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。」
(エレミヤ29:11-12)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.621 2012年2月19日

「やけくそにならない秘訣」

おはようございます。高原剛一郎です!

 鹿児島県の池田小学校3年2組の先生が、クラス全員に宿題を出しました。「たった一言で」に続く言葉を書いてくるというのがその内容です。クラス全員が書いたその文章を一つにすると、一つの詩になったそうです。「たった一言でうれしくなる たった一言でかなしくなる たった一言で苦しくなる たった一言で楽しくなる たった一言で泣きたくなる たった一言で「ありがとう」と言いたくなる たった一言でやる気が出る たった一言であたたかくなる たった一言でさみしくなる たった一言で頭にくる たった一言でいやになる たった一言で元気になる」っていう作品です。言葉って不思議ですね。目には見えませんが、心に届くとたった一言がその人の内側で薬にも毒にもなるからです。

 今日は人の言葉ではなく、人を造られた生ける神の言葉をご紹介いたしましょう。聖書の中に次のような言葉があります。

「わたしはあなたがたのために立てている計画をよく知っているからだ。──主の御告げ──それはわざわいではなくて、平安を与える計画であり、あなたがたに将来と希望を与えるためのものだ。あなたがたがわたしを呼び求めて歩き、わたしに祈るなら、わたしはあなたがたに聞こう。」

自暴自棄にならない秘訣

 これは今から2700年ほど前、国を失って意気消沈しているユダヤ人に対して語られた神の言葉です。絶望し、生きる気力をなくし、投げやりな生き方になりそうな人々に神は希望のメッセージを語られたんですね。そしてここに苦難の中でも人生を捨てずに生きるための三つの秘訣が書かれてあるように思うのです。
 第一に、私たちの作者である神、魂の親である神は、私の状況にかかわり無く希望に満ちている方だということです。難病のために入院生活を送っている子供たちを訪問し、笑顔を取り戻してもらうボランティアに「クラウンK」という団体があるんです。クラウンとは道化師のことなんですね。これはピエロの格好をしたボランティアが、病室の子供のところへ行ってバルーン風船や手品をして少しでも子供たちに元気になってもらおうとする活動なんです。

カット

 このホスピタルクラウンの大棟さんという方が、あるとき気付いたことがあるそうです。一生懸命子供たちを笑わそうとするんですが、子供たちは皆お母さんの顔を見てるっていうんですね。長い療養生活の中で自分たちがお母さんに負担をかけてるに違いない、お母さんが疲れてるのは私のせいなんだと思っているようです。だから目の前にピエロがやってきてコミカルな動作をしてものりが悪いんですね。ところがそんな子供たちが大喜びする瞬間があることに気付くのです。それはお母さんが腹を抱えて笑うときなんです。子供たちはお母さんが笑顔でいると自分たちも嬉しくなります。お母さんが幸せそうだと自分たちも幸せな気分になるのです。だから大棟さんは、ある時からパフォーマンスの対象を子供からお母さん向けにしたそうです。それが一番子供たちに届く筋道だと分かったからです。親の表情にゆとりがあれば子供もつられてゆとりが生まれるんですね。スポーツの世界でも監督が堂々としてたら選手もビビりません。会社ではリーダーが明るいと職場全体が明るくなります。しかしリーダーが困った顔をして、ため息をついていたら、部下は全員委縮してしまうんですね。
 ところで私たちの人生のリーダーは誰ですか。私たちの人生、この世界、この時代を支配している真の主権者はどなたでしょう。この世界の造り主に他ならないのです。そしてこの神はあなたの抱えているどんな問題よりももっと大きい方なのです。神には困ったということが一切無いのです。そしてあなたはこの神をご存知ですか。この神様とつながってらっしゃいますか。

神は一人ひとりに計画をもっておられる

 第二に、この全知全能の神はあなたのために偉大な計画を持っておられるということです。と言うのは、先ほど読んだ聖書の箇所に「神はあなた方のために計画を立てている」のだと宣言されていたからです。
 元F1レーサーの中嶋悟さんという方は、日本人初のF1レーサーだったんです。私はこの人のファンだったんですね。彼は交通安全の講師としても様々な活動をなさった方です。あるところで彼が語った話を私は忘れることができません。「F1レーサーは、公道では他の車を追い抜いたり、スピード違反をしたりすることはまずない」と言うんです。そんなところで何台追い抜いても表彰台には何の関係もないし 、万一事故や怪我をしたら大切なF1レースに出場できなくなるからです。偉大な計画に召されてる人は、自分を乱暴に扱わないというのです。私はなるほどなあと深く納得したんですね。どうして乱暴な運転や、やけくそな走り方をするんでしょう。自分が大切な計画に召されていると知らないからです。神が、私のために、偉大にして崇高なるプランをお持ちなのだということを知らないので、自分の人生をどう生きようが勝手ではないかとばかりに、無頼な人生を生きてしまうのではないでしょうか。しかし神はあなたに神の計画を持ってらっしゃるのです。  

最大の問題を解決される神

 第三に、その計画の内容は災いではなく平安を与えるものであり、将来と希望を与える計画なのです。ところで人間にとって最大の災い、最大の不幸とは何でしょう。それは自分の魂の親であり、偉大な幸いなる計画を持ってあなたを造られた神を見失っていることなのです。神を失うとは霊的なみなしご状態になるということなのです。偉大な計画を知らずに生きるとは、的外れの人生を生きることなのです。そして何よりも命の源である神から離れて生きる結果は、死と死後の裁きなのです。神はこの究極の災いから私たちを解放するために救い主を送ってくださいました。この救い主こそはイエス・キリストという方なのです。キリストは人間の犯すすべての罪を背負って、十字架に架かり、その責任をたったお一人で引き受け、あなたに対する裁きを終わらせてくださったのです。

やり直しのできる人生

 聖書の中に出て来る人物で、キリスト以外で最も人類に影響を与えたのは誰かという問いに答えるアンケートがありました。ベスト3は誰かご存知でしょうか。モーセとパウロとダビデでした。ところでこの三人には一つ共通点があります。殺人を犯した人たちなのです。取り返しのつかない罪の過去があった、そういう人たちです。しかし彼らは人生を破滅的に生きることはありませんでした。多くの人々を生かすために用いられたのです。どうして過去の罪につぶされなかったのでしょう。人生には罪の赦しとやり直しの道が残されているということを知ったからです。人生はキリストによってどこからでも挽回できるのです。
 どうぞあなたも十字架に架かり、三日目に復活した生けるキリストをご自分の救い主として信じてください。心からお勧めしたいと思います。

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