新約聖書
人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです。
(ルカ19:10)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.665 2012年12月23日

「クリスマス~捜す神 イエス・キリスト」

おはようございます。高原剛一郎です!

 今から百年ほど前、ヨーロッパで天下分け目の大戦争がありました。第一次世界大戦です。四年数か月の戦争でなんと900万人もの人が亡くなられたのです。この戦争はたいへんな消耗戦争でした。数百万人の兵士が過ごした塹壕は戦争中のほとんどの期間、位置が変わりませんでした。兵士たちは自分たちが立てこもる塹壕から、数百メートル先にある敵の塹壕の兵士たちを銃撃しました。この塹壕と塹壕の間には中間地帯と呼ばれる、どろんこの土地が広がっていました。
 ところが1914年のクリスマスに不思議なことが起こったのです。それまでイギリス軍とドイツ軍は、敵味方に分かれて、約5か月戦っていたのです。ところが、12月24日の夜、ドイツの兵士たちが「きよしこの夜」を歌い出したのです。風下にいたイギリスの兵士たちは、うっとりとその讃美歌に耳を傾け、やがて自分たちも合唱し始めたのです。やがてこの地区では戦闘が止み、兵士たちは塹壕を出て、プレゼント交換を始めたのです。そして肩を組み合い、クリスマスキャロルを歌い、どろんこの中間地帯で50人対50人でサッカーの試合までやったというのです。この自発的な停戦に、両軍の将校たちは驚き、以後敵と親しくしてはならないという命令を厳しく下したのです。そのためこの戦争中、同じ光景が繰り返されることは二度となかったと言われています。

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 一体、クリスマスキャロルの何が、戦闘中の兵士たちの心を和らげたのでしょう?敵も神に愛されている人間なんだということに気づかせたのです。クリスマスのメッセージには神の愛が明確に語られているのです。そこで今日、クリスマスの主人公イエス・キリストがこの世に来られた目的について、考えたいと思います。  聖書の中にはこう書いてあります。

 「人の子は、失われた人を捜して救うために来たのです。」

 ここにキリストがこの世界に来られた理由が書かれてあります。
 第一に、神のもとから離れた人をさがすために、わざわざ神の在り方を捨てて人としてこの世に来られたのだ、というのです。
 私は先日、家出した娘さんを捜すために興信所に依頼された方からお話を伺いました。まだ中学二年の娘さんがある日突然、行方不明になったのです。携帯にかけても、電源は切られっぱなし、学校に訊いても、警察に届け出を出してもどうにもならない中で、とうとう人探しのプロである探偵事務所に頼みに行ったというのです。電話帳にでかでかと広告を載せたその探偵事務所ならば、きっと捜し出してくれる、きっと信用できる、と考えられたんです。しかし、その費用はたいへんでした。着手金百万円、成功報酬は三十万円、うまくいったら合計百三十万円を払わなければなりません。私は思わず訊きました「払ったんですか?」彼女は黙って頷きました。私は複雑な心境でしたね。決して裕福なご家庭ではないということを存知あげていたからです。それでも何かせずにおれなかったのは、なぜでしょう?愛しているからです。親とはそういうもんです。たとい子どもが問題だらけでも愛するのです。いや、問題だらけであるからこそ、愛さずにおれなくなるのではありませんか?

創造主はあなたの魂の親

 あなたにも、あなたのことを心配してくださる、魂の親がおられるということをご存知ですか?それはあなたをお造りになった真の神さまです。この神が、あなたを捜す神となってこの世に来てくださいました。この人となられた神が、イエス・キリストなのです。
 なぜキリストはあなたを捜すことがおできになるのかをお伝えしたいのです。それは、あなたの専門家であるからです。人捜しをする時、まずその人の特徴について知っていなければなりません。手がかりなしでは捜せないからです。

あなたを愛し、捜し求めておられる神

 以前、日曜学校の遠足で一人の男の子が迷子になってしまったことがありました。方々捜しても見つからないので、公園事務所に迷子アナウンスを頼みに行ったのです。すると係の人は言いました。「何色の服装でしたか?」「どんなズボンをはいてましたか?」「帽子はかぶっていましたか?」途中一緒に来たのに、私がその子の服装何一つ思い出すことができなかったのです。我ながらほんとに情けなかったですね。
 それでその子の母親に電話をしました。すると受話器を取るなり、「迷子ですか?」って訊かれるんです。「どうしてわかるんですか?」と訊くと、家族で旅行に行ってもすぐにいなくなるからだそうです。しかし、さすがお母さんですね、すらすらとわが子の服装を知らせてくれたばかりか、おおよそどこに居るかという場所まで見当を付けて、そして言い当てたんです。噴水のあたりを捜してくださいとおっしゃったんですが、果たして男の子は水のダンスを飽きずに見つめていました。
 どうしてお母さんには子供の特性がわかったんでしょう?その子に関心を持って今まで愛情深い目で見守り続けてきたからではありませんか?そのように神さまは、あなたの専門家、あなたの本当の理解者なのです。そしてそのようにあなたの専門家であられるのは、あなたを愛しておられるからなのです。

問題を完全に解決できるイエス

 第三に、なぜキリストはあなたを捜し求めることができたのでしょうかっていうことです。それはあなたの恐れの原因を完全に取り除いてしまうお方であるからです。実は人捜しでまず大切なことは、なぜいなくなったのかという理由を知ることなんだそうです。なぜ失踪する道を選んだんだろう、どうして家出をせずにおれなかったんだろう、まあそれぞれの原因と理由があるんですね。出て行かずにはおれない原因を知り、その原因を解決しておくということが再会への決め手になることが多いというのです。
 ある方は借金の返済を苦にして行方をくらますのです。またある方は隠していた過去が発覚するということを恐れて、もう合わす顔がないと考えて出て行きます。またある方は治療に高額な医療費が掛かる病に罹ってしまったということで、まわりの人たちや家族に迷惑をかけることはできないと考えて、自ら姿を消すのです。
 人は姿を消すのは、それぞれ原因や理由があるのです。そしてその原因を解決していないのであるならば、捜しだして見つけてもまた行方をくらます可能性があるのです。しかし、この世界のすべてをお造りになった神さま、聖い聖い聖い神のもとに人が帰ることを恐れるのは、胸を張って戻れない、さまざまな過去や罪があるからではありませんか?キリストはそんな人間の罪、咎、汚れ、失敗のすべてをご自身の身に負って、永久処分するためにこの世に来られた方なのです。そして人が恐れて止まない死を、復活によって滅ぼされた方なのです。
 どうぞあなたも、罪と死からの救い主イエス・キリストを受け入れ、心に信じてください。心からお勧めしたいと思います。

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