新約聖書
 あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなた方のしもべになりなさい。人の子が来たのが、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるためであるのと同じです。
(マタイ20:27,28)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.715 2013年12月8日

「キリストが来られたのは」

 おはようございます。高原剛一郎です!

カット
 私は昨年胆嚢の手術をしました。胆嚢というのは肝臓の下にへばりついている臓器なんです。胆汁という消化液を蓄える袋なので胆嚢っていうんですね。場所としてはお腹の右側にあるんですね。ところがどういうわけか、ここが炎症を起こすと鳩尾と背中に鈍痛が起きるんです。痛みを起こす原因から離れたところが痛み出すんですね。それで私は長い間、胃が悪いと思って、ありとあらゆる胃薬を服用してきました。ところが病院でよく調べてもらうと原因は胃ではなく胆嚢だと分かったのです。随分肥大していて即手術が決まり切り取ってもらいました。以来、私をこの三十数年間悩ませていた鳩尾と背中の鈍痛はすっかり消え去ってしまったのです。ところで私はどうしてこんなにも長い間、体の不調に悩ませれてきたんでしょう。それは現代医学に治療法が確立されていなかったからではないんですね。私自身が何が問題なのかが分かっていなかったという事が最大の理由なのです。どこに本当の問題の原因があるかが分かっていなかったという事が苦しみの原因だったんですね。しかし、現代医学のドクターが診れば原因は一目瞭然だったのです。

あらゆる問題の原因とは

  さて、今世界には様々な問題が山積しています。世界だけではなく、私個人の人生の中にも次から次へと問題がやってくるんです。しかし皆人生の本当の問題が何なのかを知らないままで対処療法に走り回っているのではないでしょうか。しかし、この世界とまた人をお造りになった神様には本当の問題が一目瞭然に見えておられるのです。世界と人生が支離滅裂なのは人が自分の作り主から離れて自己中心に生きる罪が問題なのだと聖書は語っているのです。創造主というあなたの作者、祝福の源から離れた結果、人はやること成すことみな裏目に出て行き詰まるのだと語るのです。この創造主の下にもう一度立ち返ることができるように神は私たちに救い主を送ってくださいました。この救い主こそはイエス・キリストです。そしてこのキリストの誕生を記念するのがクリスマスなのです。ところでイエス・キリストは何のためにこの世に来られたのでしょう。キリストご自身がそれを語る聖書の言葉をご紹介いたしましょう。

「あなたがたの間で人の先に立ちたいと思う者は、あなた方のしもべになりなさい。人の子が来たのが、仕えられるためではなく、かえって仕えるためであり、また、多くの人のための贖いの代価として、自分のいのちを与えるためであるのと同じです。」

人を生かす真の神

 ここでキリストはこの世に来られた3つの理由について語っておられます。
 第一に、仕えられるためではなく、仕えるために来られたというのです。そしてキリストがそうされたのは仕えることによって神の本質を明らかにするためだというのです。普通人間社会では下の者が上の者が仕えます。政治の世界でも、会社組織でも、運動部の中でも上下関係というのがはっきりしてますね。仕えるのは下のすることで仕えられるのは上位の者が受ける特権です。ところが一つだけ例外があります。それは生まれたばかりの赤ちゃんとその面倒を見る親の関係です。親の方が能力においても経験においてもまた全ての事において赤ちゃんよりも強い立場にあります。言うなれば上位の立場にあるのです。しかしこの上の立場の親が弱くて何にも出来ない赤ちゃんに僕のように仕えるのです。お母さんは赤ちゃんが泣くと昼でも夜でも飛んで行きますね。おむつを替え母乳を与え、あやし、語りかけ、背負い、慈しみ、そして育てていくんですね。お母さんが赤ちゃんに仕えるのは弱いからではありません。強いからです。強くかつ愛しているからなのです。キリストは人に仕えるために来られたのはキリストが弱く低く無力であるからではありません。キリストは誰よりも強く力あり愛に満ちておられる方なのでこの世に来られて人に仕えてくださったのです。そうすることによって、神の御本質は人に仕えられてそれで何とかやっていく宗教の神ではなく、人を活かす神であるという事を示しておられるのです。

世界を造られた唯一の方である創造主

 第二に、この方は多くの人々のために来られたのです。多くの人とは全人類のことです。時々こんな誤解をしておられる方がいらっしゃいますね。聖書の神はキリスト教文化圏の人々の神だ。われわれ日本人には日本人の神々がいるから外国の神様は必要ないのだというのです。しかし、日本人の宗教心が作った神々はたくさんあるでしょうが、日本人を造られた神は唯一の神です。日本人も中国人もユダヤ人もずーっと先祖をたどって行けば最初の男女にまで行き着くのです。つまり、全人類は元々共通の先祖から出てきた子孫なのです。この共通の先祖、最初の人類アダムとエバを造った作者を聖書は創造主、神と呼ぶのです。造り主は外国の神などではありません。聖書の神こそまさしく日本人が神とお呼びするに値する真の神なのです。多くの人のためを考えてこの世に来られたキリストは日本人の事も考えてこの世に来てくださったのです。そしてこの多くの人の中にあなたの事も含まれているのです。キリストはあなたのためにこの世に来られた救い主なのです。

永遠のいのちを与えるイエス

 第三に、贖いのための代価としてご自分の命を与えるためにキリストは来てくださったのです。今ラジオの前のあなたは生きておられます。命があなたのうちに宿っているからですね。でもその命はいつまでも続く命ではありませんね。はっきり申し上げて死につつある命なのです。もっと言えば死がプログラムされた命を抱えて私たちは生きているのです。この死は人が神から離れたことで入り込んできたものです。それは神が御心のうちに考えていたプランとは違うことなのです。この不完全な滅びに向かっている命しか持たない私たちには決して滅びる事のない永遠の命がどうしても必要なのです。その永遠の命を私たちに与えるためにキリストはこの世に来てくださいました。そして今から二千年前十字架に架かって私たちの罪の身代わりとなり刑罰としての死を経験してくださったのです。それだけではなく死後三日後目に蘇り永遠の天国への道を切り開いてくださったのです。どうぞあなたもこのイエス・キリストを信頼し自分の心のうちに迎え入れ罪の許しと永遠の命を受け取ってください。心からお勧めしたいと思います。

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