新約聖書
「マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」
(マタイ1:21)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.820 2015年12月13日

「宇宙船地球号とクリスマス」

おはようございます、高原剛一郎です!

カット
 先日、友人から「安い値段で宇宙旅行ができるみたいだ」という話を聞きました。いくらくらい?ときくと、25万ドル、約3千万円です!どこが安いんだ、と思いましたが、この宇宙旅行会社の副社長は、数年前にロシアのソユーズに乗って宇宙にでかけたんです。そのときの費用は30億円だったそうです。それと比べたら百分の一の値段だ、っていうんですね。すでに世界全体から700人、日本からも19人が予約を入れているそうです。そして、そういう方々はずいぶん経済的に恵まれた人たちだなあ、と思うんですね。
 しかし、よくよく考えてみると、私たち人間はだれもが、宇宙の創造主によってすでにとてつもない恵みを受けているのではないか、とも考えなおしました。というのは、私たちが住んでいるこの地球そのものが、巨大な宇宙船だからです。地球にいたら、その居心地のよさについ、宇宙にいるんだということを忘れています。しかし、私たちはこの宇宙船地球号に乗って、紛れもなく、天の川銀河を高速移動している最中なんです。

地球をつくられた方がおられる

 先ほど紹介した宇宙旅行会社の副社長は、リチャード・ギャリオットというアメリカ人です。じつは、彼のお父さんは宇宙飛行士でした。ですから、この人はアメリカ初の二世代宇宙飛行士なんですね。
 彼の話によると、宇宙船に乗り込むのは車や電車に乗りこむのとはわけが違って、二年間も訓練を受けなければならなかったそうです。まず、厳しい医療検査を受けて体のすみずみまで調べ上げられるそうです。彼の場合、その医療検査で肝臓に先天性の血管腫が見つかり、それを除去する手術を受けなければなりませんでした。というのは、宇宙船の飛行中に、減圧によって血管腫から出血する可能性があったんです。すぐに治療できない宇宙船の中では、それが命取りになる可能性があったんですね。
 ところが、地球にいる間は、そんな血管腫は何にも気にしなくていいんです。宇宙船は、科学技術の中でも最先端、最高レベルのものです。人類の最高の知性が知恵を振り絞るのでない限り作り出せないのが宇宙船です。とするなら、特別な訓練も、特殊な技術習得も必要とせず、楽チンにのびのび暮らしていけるこの宇宙船地球号は、究極の知恵者が造られたといえるのではありませんか。
 この宇宙と地球の造り主を、聖書は「創造主」「神」とお呼びするのです。そして、この全宇宙をお造りになった神が、あなたという人を罪と死から救い出すために救い主を送ってくださいました。この方をイエス・キリストと呼ぶのです。

救い主として生まれられたイエス

 聖書に、このように書かれてあります。

マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。

 これは、処女マリヤの婚約者であったヨセフに告げられた神のことばです。婚約中の相手が妊娠した、ということを知ったヨセフは、驚きと絶望に打ちひしがれたことでしょう。しかしその妊娠は、男女関係によるものではなく、神によるものであって、マリヤが身ごもっているのは人としてこの世に生まれる救い主なのだ、と宣言されたんです。
 ここでは、この方の使命が明確に紹介されています。

この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。

 神様が送られたのは、超天才の学者でも、芸術家でも、政治家でもなく、「罪から救ってくださる方」、すなわち救い主なのです。

自分を責める自分

 先日、私はとある看護師の方の証をうかがいました。大きな大学病院に長年つとめる中堅の方で、後輩たちからも尊敬されている方です。
しかし、あるときから精神的に追い詰められて、ガタガタになっていかれるんです。それは、医療ミスを犯してしまったことがきっかけでした。普段ならまずやらないミスを、彼女は犯してしまうのです。患者の家族とは、また患者本人とは和解が成立しました。しかし、たとい患者が赦してくれても、ご家族が赦してくれても、彼女をどうしても赦してくれないものがあったのです。それは、彼女自身の心です。
 自分を責め立てるもう一人の自分がいて、彼女を壊していくのです。同僚や、師長さんや、またドクターはみな彼女を慰めてくれました。忙しすぎたとか、疲れていたとか、システム上に問題があったとか、自分たちの側にも問題があったとか、和解したんだからもう前を向いていこうじゃないかとか、まあ、どれもこれも、もっともなことばかりなのですが、彼女の心には届かないのです。彼女は苦しさのあまり、高校時代の友人に連絡を取ります。その友人はクリスチャンでした。この友人に連れられて、彼女は生まれて初めて教会へ行き、そして、明快なるイエス・キリストの福音をきくのです。

キリストの犠牲による救い

 それは、罪人を赦す、キリストの犠牲による救いです。キリストは、私たちの罪を実質的に赦すために、自らの命を十字架につけて下さいました。キリストの命が、私たちの罪の償いとなった、というメッセージです。そのとき、彼女は自分が必要としているものが何かがはっきりわかったというのです。
彼女が必要としていたのは、励ましではなく、慰めではなく、気晴らしではなく、赦しです。根拠のある赦し。絶対者による一方的な赦しの宣告、赦しの宣言。完全なる赦し。これを彼女は必要としていたのです。そして、それを受け取ったときに、心の中になんともいえない平安が広がった、というのです。
神様はなぜこのように、学者ではなく、芸術家ではなく、救い主を送ってくださったんでしょうか。人類に今、なによりも必要なもの、それはキリストの命による完全な赦しだからです。
 キリストの犠牲によって、あなたの罪は赦されています。償いの支払いは、今から2千年前にもう終わっています。あなたの心の思い煩いの原因は、既に取り除かれているのです。しかし、あなたがそれをまだご存じないので、罪の赦しによる平安がこないのです。あなたのために救い主となってくださった方は、イエス・キリストだけなのです。

天から来られた救い主

 アポロ15号に乗って月面を歩いた宇宙飛行士に、ジム・アーウィンという人がいます。彼は地球に戻ってきてから、宇宙飛行士をやめました。そして、キリスト伝道者となって全世界を駆け巡るようになられたのです。
 月の上で神の臨在を知ったこと、そして、神が造られた宇宙に触れて神の主権を認めざるを得なくなった、ということが大きなきっかけであります。私は、彼の講演を文字で読んだことがあります。彼はこう語っているんですね。
 「私は、月の上を歩いたというだけで、地球上でどこに行ってもヒーロー扱いです。人間が地球から一番近い星に行ってそこを歩いただけで、こんなにも注目されているんです。ならば、天の天からこの地球に降りてきて、人となって大地を歩いたキリストは、もっとあがめられるべきだと思うのです。なぜなら、この方は旅行に来たのではなく、十字架の上で死に、3日目によみがえって救いを完成させるために来てくださった、われわれの救い主であるからです。」
 私はそれを読みながら、心からそう思いました。そして、このメッセージをきいてくださるあなたにも、そのように言っていただきたいのです。
 どうぞ、あなたのための救い主、イエス・キリストを受け入れてください。心からお勧めしたいと思います。

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