新約聖書
『 その十字架の血によって平和をつくり、御子によって万物を、御子のために和解させてくださったからです。地にあるものも天にあるものも、ただ御子によって和解させてくださったのです。 』
(コロサイ1:20)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.913 2017年9月24日

「神と人間の関係修復」

おはようございます、尼川匡志です!

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数年前に、ある有名な塾の講師をされているH先生が、お母さん方を集めて子育てのお話をされたんです。
先生曰く「核家族ではなかなか子育てはうまくいきません。うまくいくには三世代同居が理想なんです。
サザエさんも、ちびまる子ちゃんも、寺内貫太郎一家も、有名なホームドラマの家族設定は、夫婦、子どもたち、そこにおじいちゃんかおばあちゃんがいるんですね。それによって人間関係に深みが出てくるんです。」
なるほど確かにそうだなあというふうに思いました。人間は他者との関係性の中で成長します。親子関係にも実は相性の良し悪しがあり、例えば、長男とは難しいが長女とは関係が良好だとか、末っ子とはうまくいくけれども上の子とはどうもということも起こり得るんです。
核家族なら大変です。そんな時におじいちゃんかおばあちゃんが出て来て親と相性の良くない子どもの世話を受け持つんですね。いろいろな関係によって人は守られ成長できると言うんです。昔は子どもが4人も5人もいましたし、その兄弟の友達もいました。そして、そこに親戚のお兄ちゃんお姉ちゃん、近所の子供たち、おせっかいなおばちゃんやおじちゃんなど、色々な人間関係が複雑に絡み合っていたんです。その中で人間性が健全に育まれてきました。
しかし、現在はどうでしょうか。この人間関係が本当に希薄になっているんです。家族は核家族になり、子どもは一人っ子に、親戚ともあまり付き合わない、近所付き合いはほとんどない、出来るだけわずらわしい関係を排除しようとしているんですね。
今、人間関係は崩壊しつつあります。それは夫婦、親子、兄弟、すなわち家族関係でも、そして親戚関係やご近所においても、人と人とのつながりがどんどん切れていってるんです。

関係崩壊の原因は罪

人間関係がなぜ崩壊しているんでしょうか。それは経済成長の結果でも豊かになったからでもありません。
聖書はその理由を罪だと言うんです。では罪とは一体何なのか。そのことを人間に罪が入った聖書の箇所から考えてみたいと思います。
神は宇宙を造り、地球を造られました。そしてすべての生き物と人間を造られたんです。
初めの人間をアダムとエバと言います。神はこの人間のためにすばらしい場所を用意されました。それがエデンの園です。このエデンの園は食べ物が豊かにあり、平和がありました。彼らは裸でも安全でしたし、すべての物で満たされる場所でした。
神は人間と一つだけ約束を交わします。それは園の中央の「善悪の知識の木の実」だけは取って食べてはならないというものでした。これは神との関係を守るために設けられたルールです。
ちょうど結婚する夫婦が、浮気だけはダメよ、暴力は許しません、とかそれぞれルールを設けるようなもんです。関係を維持するには守らなければならないルールがあります。
しかし、彼らは何と悪魔にそそのかされて、その木の実を食べてしまうんです。聖書はこの瞬間に人間に罪が入ったと語っています。それは自分が食べたいという欲求を優先したということなんです。
神中心ではなく自己中心になった。この自己中心こそが罪の正体なんです。
今私たちの社会に渦巻く犯罪はすべてこの自己中心によって引き起こされます。自分が欲しい物、したいことを相手のことは全く考えないで手に入れるんです。ここから生まれて来るのは平和ではなく争いです。
昨年から今年にかけてアメリカでは「アメリカファースト」の風が吹きました。トランプ氏です。これは政策上では問題ないと思います。何を中心にして政治を行うかだけですから。
しかし、アメリカファーストがあれば中国ファーストもある、ロシアファーストもあるんです。そして、それを主張し続けると必ず対立が生まれる。この根底に流れるものが自己中心です。そして、それが争いと対立を生み、関係を破壊します。
国と国だけではなく人間と人間もそうなるんです。さて一番初めに破壊された関係とはなんでしょうか。神と人との関係なんです。
エデンの園には彼らがこの木の実を食べるまで平和がありました。神と人との関係は良好でした。しかし、彼らが食べたその後はそうでなくなったんです。聖書にこう書かれています。

そよ風の吹くころ、彼らは園を歩き回られる神である主の声を聞いた。それで人とその妻は、神である主の御顔を避けて園の木の間に身を隠した。神である主は、人に呼びかけ、彼に仰せられた。「あなたは、どこにいるのか。」彼は答えた。「私は園で、あなたの声を聞きました。それで私は裸なので、恐れて、隠れました。」

彼らは神から身を隠したんです。関係が切れてしまっていました。実はこの後、アダムとエバの人間関係にもひびが入っていくんです。つまり自己中心の結果、神との関係が崩れ、人とのつながりも破壊されていってしまったんですね。

神との関係修復

現代人の最大の悩みは人間関係の問題です。なぜ人間関係がぎくしゃくするのか、それは性格の問題ではなく罪の問題だと聖書は言うんです。
ではその問題を解決するにはどうすればいいんでしょうか。今見たように神との関係が破壊され、人間同士の関係にひびが入ったんです。つまり人間関係を修復するにはまず神との関係を正さなければなりません。
では神との関係を正す方法はあるんでしょうか。神と人間の間にトゲのように入り込んだ罪を取り除くことが可能なんでしょうか。実はこのことを行うために神が人となってこの世界に来てくださったんです。それがイエス・キリストです。
聖書にこのように書いています。

その十字架の血によって平和をつくり、御子によって万物を、御子のために和解させてくださったからです。地にあるものも天にあるものも、ただ御子によって和解させてくださったのです。

御子とはキリストのことです。そして十字架の血によってキリストはこの世界に平和を作ったと言うんです。どのように平和を作ったのか、和解させたんです。
和解とは関係を修復することです。キリストが二千年前この和解を完成されました。それをもしあなたが認め信じるなら、あなたと神との和解が成立します。これが聖書の約束なんです。
アダムとエバは約束を破り関係が壊れました。今、神が提示してくださった約束をあなたが信じる時、あなたと神の関係が修復するんです。
そして、その後にあなたの周りの人間関係が回復し始めます。それを多くのクリスチャンが体験しているんですね。
ぜひあなた自身もこの神との約束の正しさを体験してみてください。心からお勧めします。

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