新約聖書
 あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人とは、何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは、何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。
(詩8:3-4)

Default Text

「聖書と福音」高原剛一郎

No.771 2015年1月4日

「人間のために全宇宙を整えた創造主」

明けましておめでとうございます、高原剛一郎です!

カット
 今年もよろしくお願いします。
 さて南太平洋の島国にバヌアツという国があります。バンジージャンプ発祥の国なんですね。たくさんの小さな島々でできた国なんです。この島の一つにウリピブ島という人口300人くらいの小さな島があるんです。そこに日本人の宣教師が現地の言葉に聖書を翻訳するために活動しているっていうんですね。ところでこの島には電気がありません。ガスも水道もありません。水は雨水をためてそれを飲むんですね。しかし、もう一つその島にないものがあるんです。なんと鏡がないんですね。それで島の人々は鏡に映った自分の姿を一度も見た事がなかったのです。
 ある時この日本人宣教師の方が村人を集めて集合写真を撮りました。そして出来上がった写真をみんなに見せたんです。あなたは集合写真を見せられたら、真っ先に目が行くのは、おそらく自分の姿の姿だと思います。ところがこの島の人々はたくさん映っている人々の内のどれが自分なのかが分からないんです。ではどうするんでしょう。いろんな人に教えてもらうんですね。一人二人ではなく、何人もの人々に尋ねてみんなが紛れもなく、このおじさんが君なんだというので自分の外見を知ることができるのです。

人間の内面を明らかにする聖書

 ところで聖書は人間の内面をズバリ明らかにしている書物です。そしてこの聖書は人類史上最大のベストセラーであり、今も世界中で最もたくさんの人々に信じられている神の言葉なのです。文化を超え、国境を超え、性別を超え、年齢を超えて人間の本質を語る神の言葉として認められてきたものです。今日はこの一年の初めに、この聖書の言葉から創造主なる神様について考えたいと思います。

 聖書にこう書いてあります。
 「あなたの指のわざである天を見、あなたが整えられた月や星を見ますのに、人とは何者なのでしょう。あなたがこれを心に留められるとは。人の子とは何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。」

3つの事に心を打たれたダビデ

 今から3000年前、イスラエルの王様、ダビデが歌った言葉なんですね。彼は大宇宙とそこに瞬く月や星を見た時、3つの事に心を打たれます。いったい何に心を打たれたんでしょう。

神の偉大さに心を打たれたダビデ

 第一に、この広大無辺の宇宙とそこにある無数の星々を緻密な精密なものとして造られた神の賢さ偉大さに心を打たれたのです。宇宙の宇という文字は空間を表す言葉なんですね。宇宙の宙という文字は過去、現在、未来、時間のすべてを表す言葉です。ですから、宇宙とは時空のすべてを表す言葉なんですね。私たちの地球が所属している天の川銀河には太陽のような恒星が約2000億あると言われています。そしてこのような星の集合体である銀河が何千と集まったものを銀河群と言います。さらに銀河群が集まったものを銀河団と言い、さらにこれらが集まったものを超銀河団と言うそうです。本当に気が遠くなるような大きさですね。しかも宇宙空間は現在も猛烈なスピードで膨張しているわけですから、全く人間には計り知れない世界であると思います。しかし、ダビデは単にこの宇宙の大きさに圧倒されたのではありません。

宇宙に心を打たれたダビデ

 第二にダビデは宇宙が神によって整えられているという点に感動しているのです。私たちはこの地球の上で生活しています。しかし、地球だけでは人間も生物も生きていくことはできません。外からエネルギーを補給されないと生きていける環境にならないからです。しかし、この太陽や月が地球の生命体にとって丁度良い距離を保つように天体運動するためには、太陽や月に影響を与えるその他の星々、宇宙の存在が必要となってくるんです。太陽と月と地球だけがあっても地球は命を育む星にはなれないのです。実に地球が今ある環境になるためには大宇宙、全宇宙が必要となってくるのです。これは凄いことだと思いませんか。神様は人間のために全宇宙をお造りになったという事ができるのです。この一点を取って見ても神が人間をそしてあなたをどれほど愛されているのかが分かるのではないでしょうか。

神に心を打たれたダビデ

 第三にダビデが感動したのは、神が人間を訪問してくださることを知らされたからです。人の子とは何者なのでしょう。あなたがこれを顧みられるとは。と、先程読みましたが、この顧みられるという言葉は訪問するとも訳せる言葉なんですね。
 アメリカのカルフォルニアにあるレッドウッド国立公園にはセコイヤという超巨大樹木の森林があるんです。高いものは100mの高さにまで成長します。樹齢2200年という長い歴史を生き抜いてきた樹木がそびえたっているんですね。どうしてそんなに長い間枯れずに生き残っているんでしょう。なんとこの木の皮の部分が厚さ30cmにもなるというのです。そしてこの樹皮の部分にはタンニンがたっぷり含有されているんですね。それで様々な病原菌やシロアリが侵入することができないんです。さらには山火事の火炎もこの皮のために内部までダメージを与える事が出来ないんですね。そしてもう一つこのセコイヤが暴風雨の中でも生き延びてきた秘密があるのです。それは根っこの部分にあるんです。セコイヤの根はそんなに深くまで地下にまで生える事ができないのです。しかし、近くのセコイヤの根っこ同士が互いに繋がりあい絡み合い目に見えない部分で支えあっているというのです。セコイヤの強さの秘密は他の逞しいセコイヤと地下で繋がっているという事にあるのです。

ミケランジェロの傑作

 イタリアのシスティーナ礼拝堂の壁画にミケランジェロの傑作、天地創造があります。どんな絵なのかご存知の方も多い事でしょう。天地創造をした神が6日目に人間アダムを造ります。アダムは地に横たわり、上半身を起こした状態で神様に顔を向けその方向に向かって手を伸ばしています。一方、創造主も天からアダムの方を向いて指を伸ばしておられます。そしてその姿は神が人間と繋がろうとしているという事を示しているのです。

神と繋がって生きる

 人間は初めから全知全能、命の源である神と繋がって生きるように造られていたのです。そしてこの神から離れた罪人となった今も神はイエスキリストを通して人間を訪問し、そしてあなたと繋がろうとして今日この番組のメッセージを通して働いておられる方なのです。どうぞあなたも救い主イエスキリストを信じ神様との関係を回復なさってください。心からお勧めしたいと思います。

コーヒーカップ
時計
MILANの消しゴム