新約聖書
「『キリスト・イエスは、罪人を救うためにこの世に来られた』ということばは、まことであり、そのまま受け入れるに値するものです。私はその罪びとのかしらです。」
(1テモテ1:15)

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「聖書と福音」高原剛一郎

No.871 2016年12月4日

「暴走する世界とイエス・キリスト」

おはようございます、高原剛一郎です!

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さて、今年2016年は仮面ライダー誕生45周年、ウルトラマン放送開始50年、サザエさん70周年、そして幕末の志士高杉晋作没後150年なんだそうです。それで関係者はそれぞれ記念のイベントを開催するんですね。節目の年に当たるからです。
ところが世界中で毎年毎年途切れることなく記念される祭があります。それがクリスマスなのです。イエス・キリストの誕生を思い起こすお祭です。今日は、あなたを含めたすべての人々への朗報、クリスマスの意味を考えたいと思います。
聖書の中に次のようにあります。

「キリスト・イエスは、罪人を救うためにこの世に来られた」ということばは、まことであり、そのまま受け入れるに値するものです。私はその罪びとのかしらです。

今日も3つのポイントでお話しいたしましょう。

神が人間になられた

第一に、キリスト・イエスとはどんな方か、です。
ところで、日本人の名前に意味があるように、外国の人たちの名前にも意味があります。今年のアメリカの大統領選挙では、ドナルド・トランプとヒラリーが争いましたね。
ドナルドは英語発音ではダナーが近いようですが、元々はゲール語のドムクナールから来た言葉で、世界の支配者という意味なんです。ヒラリーというのはラテン語のヒラリウスから来た言葉で、元気がいい、とか、明るい、という意味です。
それでは、キリスト・イエスとはどういう意味なんでしょう。キリストというのは個人名ではなく、職務をあらわす言葉で「王」をあらわします。そしてしばしば「神」を指す言葉としても聖書の中で使われるのです。
イエスとは人の名前で、「主は救いです」という意味です。したがって、キリスト・イエスには神である方が、イエスという人になられたというメッセージが込められているのです。
この全宇宙、全世界を創造された神が、人間になってこの世に誕生されたんです。この事実を記念するのがクリスマスなのです。

クレイジーエイツ事故

第二に、キリストは何のために来られたか、ということです。
「罪人を救うために来られた」と、聖書は語ります。罪人とは、あるべき所から離れて、進むべき道でない道を進んで、行ってはならない所に向かっている、的外れ状態の人間を指す言葉です。
分かりやすく言うと、自分の造り主から離れて、滅びに向かって突き進んでいる人間のことを聖書は罪人だ、と言うんです。
実は今から15年ほど前、アメリカのオハイオ州でとんでもない列車事故がありました。別名クレイジーエイツ事故と言われ、後に映画にまでなります。
電気式ディーゼル機関車が47両の貨物列車を引きながら、出発の準備をしていました。運転手は金属35年のベテランです。
ところが彼が列車が進みだすと前方のレールの分岐点の切り替えが間違っているということに気づくのです。列車にブレーキをかけてスピードが落ちている間に運転士は走って自ら前方に行き、レールの切り替えをしようとしました。ところが、どういうわけかブレーキが作動しなかったのです。
飛び降りた運転士を置いたまま、列車は加速し始めます。アメリカの列車には、スピードオーバーの列車をストップさせるシステムがありましたが、なぜかこのときは全く作動しなかったのです。トラブルにトラブルが重なり、列車は時速113キロ、総重量3000トンの貨物列車を47両引っ張ったまま暴走し始めたのです。
しかもその貨物列車に積み込まれていたのは、2万リットルの毒性物質フェノールでした。フェノールは加熱され、気化し、空気と混ざり合うと爆発性の混合ガスになるのです。
そしてこの出発地点から100キロ先のオハイオ州ケントンには、下り坂の急カーブがありました。安全に曲がり切るためには、時速40キロ以下であることが必要です。さらにその周辺には燃料倉庫やガスタンク、そして民家が密集していたのです。
このまま行けば時速100キロを超えた状態で、急カーブに突っ込みます。脱線炎上は必至です。もしこの暴走列車を止めなければ、人口1万5千のケントンの町は大惨事になるのは間違いありません。
ありとあらゆる対策が試されたのですが、どれも失敗に終わりました。それで最後の手段が試されたのです。暴走列車の後ろから、別の列車に追いかけさせたのです。しかも、進行方向が見えないバック運転の状態で、時速100キロ以上のスピードを出して追いついたんです。いったいどうするつもりでしょう。
普通は徐行運転で連結させるのですが、フルスピード状態で連結を試みたのです。見事に連結は成功し、後ろの列車のブレーキを使ってスピードを落とさせ、運転士が乗り移ってエンジンを停止し、漸くのことで列車を止めることができたのです。それは急カーブまで残り2キロの地点でした。

キリストは罪の身代わりになられた

ところで、神から離れた人間は、行くべきでない道を行き、向かうべきではない、死後のさばきというゴールに向かって暴走している列車のようなのです。
人は自力では止めることができない破滅に向かって突き進んでいると、聖書は語るのです。
この死と死後の滅亡を食い止めるためには、運転士が暴走列車の運転席に乗り込まなければならなかったように、神は人として、この人の世に乗り込んで来てくださったのです。
そして、罪人のゴールを、滅びから救いに変えるために、イエス・キリストとなってこの世に来てくださったのです。
キリストはあなたに代わって十字架で死んでくださいました。あの十字架の上であなたの罪を背負って身代わりの罰を引き受けてくださったのです。そしてたくさんの人々の目の前で、あなたのためにとりなしの祈りをささげ、死んでくださいました。そして、三日目に死を突き破って復活し、人間が最も恐れているものを滅ぼしてくださったのです。
この十字架と復活による救いを実現するために、キリスト・イエスはこの世に来られたのです。

キリストの復活の事実を受け入れる

第三に、このことばはまことであり、そのまま受け入れるに値することである、ということです。
今から600年ほど前まで、水平線の向こうは滝になっていると人々は考えていました。それで、あまり沖にまで船で出てしまうと、ついには巨大な滝に飲み込まれて落下してしまい、二度と元に戻ることはできないと恐れていたのです。そのために、海の向こうの新しい大陸に行くことはできませんでした。
しかしやがて天文学が発達して、地球が丸いということが分かるようになりました。地球は海でつながっている一つの球体であることが分かったのです。
この客観的な事実をそのまま受け入れた人々は、海の果てに行くということを恐れなくなったのです。そして、事実、新大陸を発見し、上陸することに成功したのです。
事実を受け入れることで世界観が変わってしまう、世界観が変わることによって行動まで変わってしまうのです。
キリストはあなたに代わって罪のゆるしを獲得し、復活によって死を滅ぼしてしまわれました。この事実を事実としてそのまま受け入れるなら、あなたの人生観は変わります。なぜならもはや死を恐れなくてもよくなるからです。
どうぞ、あなたのためにこの世に来られたイエス・キリストを自分の救い主として信じ受け入れてください。心からお勧めしたいと思います。

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